『アフリカのへそ』

foyeni.exblog.jp
ブログトップ
2006年 10月 26日

TMAを訪問

10月21日(土)

この日はナイロビの友人Kちゃんと、TMAを訪問しました。
前夜からの雨は朝になってもシトシトと降り続けていたので,アルーシャの道はそこいら中が池だらけ。 
泥と雨の中を”モンドゥーリ”行きのダラダラに乗って出発しました。


メルー・ハウスに泊まっていたころ、いつも土曜日になると現れる不思議な男たちがいた。
全員がブラック・スーツにネクタイ姿のアフリカンで、いつも昼ごろに現れてレストランで食べたり飲んだりして夕方に帰っていく。 
バックパッカーが集う安宿で彼らの存在は浮きまくっており、一体あいつらの正体はなんだろう?? 
旅行客ではなさそうだし、地元人にしても一体なんのビジネスをやっているのか? 
豪勢な飲みっぷりからして貧乏人でないのは明らかだ。 けど金持ちはわざわざこんな安宿のレストランには来ないし・・・。
「きっとあいつらはギャングにちがいない」と勝手に妄想していると、ある日黒スーツの一人と話す機会がやってきた。 
「あなたは何者ですか?」 





「I am Kenyan army」

なんとあの黒スーツ姿のアフリカンたちは全て軍人だったのである。 
アルーシャ郊外のモンドゥーリという所にミリタリー・ベースがあり、彼-スティーヴン-はそこで訓練中の”Cadet(士官候補生)”だった。
彼曰く、ミリタリーの毎日たるや“プリズンみたいなもん”なので、週末はこうやって都会まで出てきてリフレッシュするらしい。
なるほど。 
それにしてもアフリカの軍事施設なんて面白そうではないか。 
ビジターの見学もOKだというので、今回さっそく訪問することになった。 

ということでTMA―Tanzania Military Academy-を目指してKちゃんと出発したのですが、とにかくメチャメチャ遠かった。
モンドゥーリ行きのダラダラに乗ったのに、乗客が少なくなったため終点までは行かないとか、客がくるまで出発しないとかで、2回も別のダラダラに乗り換えた。 
しかも雨はやまないし、とても寒い。 何もないサバンナの中をもう1時間近くも走っている。 
本当にTMAまでたどり着けるのか不安でいっぱい。 
すでにアルーシャの町は遥か彼方。 ときどきポツンと現れる小さな集落で客を拾っては、また走り出す。 
2度目の乗り換えで「TMAはまだ遠いのか?」と聞くと「Mbali kidogo(まだ遠い)」。 
地元人が遠いと言うことは、かなり遠いということだ。 えらいとこまで来てしまった。 ここで車がエンストでもしたらどうするんじゃ。
メセラニ蛇園を通り過ぎ、さらに走ってやっとTMAの看板を発見! 
見ると”TMA 8km”と書いてある。 うげ~。 まだあと8kmもあるの・・・
さらにサバンナの中を走ると突如、遠くにでっかくて小ぎれいな建物が出現。 それがTMAだった。
ゲート前の受付で降りて友人を待つ。 軍事施設らしくゲート前には小銃を持った兵隊さんが立っている。
そういえば横須賀の米軍基地もこんな感じだったっけ。


迎えにきたスティーヴンと再会したものの、なんと私たちは中に入ることが出来なかった。
なぜなら私たちは「外国人なのでスパイの可能性がある」んだそうだ。
彼も何度か掛け合ってくれたが、結局中に入ることは出来なかった。
「本当にごめんね。いつもアフリカ人のビジターの時はOKなんだけど。 君たちはここに来た初めての白人ビジターなんだよ」
ああ、またしても立ちふさがる”ワズング”の壁。 よくよく考えればミリタリー施設だから当たり前か。
こんな寒い雨の中を1時間半もダラダラに乗って、はるばるやって来たのに。 
疲労度200%のがっくり・・・。

その後、近くにあるTMA Resortという食堂に連れて行ってもらい、ソーダを飲みながら3人でおしゃべりに興じた。 
ここもお客さんはスーツ姿の男ばかり。 なにしろTMAの周辺は360度見渡すかぎりのサバンナ。 
トレーニングに没頭する以外にすることがない。 ここにいるのは全てミリタリー関係者と、TMAのための食堂やキオスクのおじちゃん・おばちゃんだけである。
 
そして驚いたのは軍の規律の厳しいこと。 
オフの日でも外出時は必ずスーツを着用。 ブレザーのボタンを外してもダメ。 ソーダのラッパ飲みもダメ。 必ずグラスに注いで飲まないといけない。 1分でも遅刻したら除隊。 朝は4時半に起きてサバンナと丘のランニングから1日が始まり、トレーニングと勉強に明け暮れて就寝は夜の12時。 ひゃ~。 毎日の睡眠時間が4時間半しかないなんて、人間の生活じゃないですな。
確かにこれでは休日ごとに町へでも繰り出さないと、発狂してしまいそうだ。


東アフリカ3ヶ国-ケニア・ウガンダ・タンザニア-から軍人を目指す生徒たちが訓練に励んでいる、タンザニア・ミリタリー・アカデミー。
スティーヴンを含め現在ケニア人は4人だけ。 
そして彼もやはり英語がうまい。 物事の考え方もとても洗練されている。 
ジョシュアの時もそうだったが、近くて遠いケニアとタンザニアの差をまたも実感した。
しかも軍人らしく身体のバイオロジーをしっかり勉強しているので、聞いたことがない英単語まで飛び出す。 
ああコンサイス英和辞典を持ってくるんだった。

夕方6時ごろ、アルーシャ行きのダラダラに乗って私とKちゃんはTMAを後にした。 
帰りのダラダラはまっすぐアルーシャまで走り、7時過ぎに家に着いた。 
結局何しにモンドゥーリまで行ったのかよくわからない1日だったけど、謎だった黒スーツどもの普段の日常を垣間見て、
東アフリカにまた一つ詳しくなった日だった。


a0025361_5425114.jpg360度サバンナしかない

a0025361_5442296.jpgTMAのゲート
[PR]

by KilimanjaroID | 2006-10-26 05:46 | Africa-Arusha


<< ある日の夕ご飯      祝! インターネット開通 >>