『アフリカのへそ』

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2007年 09月 11日

ミス・タンザニア 2007

ミス・タンザニア 2007

今年もミス・タンザニアの季節がやってきた。
何ヶ月も前からタンザニアの各地で地方ミス・コンが行われ、絞りに絞られた各地のミス代表たちが
美を競い、優勝者は世界大会へ出場できる。
テレビでは出場が決まった美女たちがテレビのコマーシャルに出て、「どうぞ私に投票してね!」と、
何週間も前からアピールしまくる。
それだけ国民注目度の高いイベントなのである。
ちょうどこの日は、我が家に遊びに来ていた日本からのお客さんと
一緒にテレビの生中継を見ていたが、なんせ始まったのが夜の11時ごろで、ショーの途中で皆眠くてリタイアしてしまった。

翌日のニュースで優勝者を見て驚いた。
完全にインド系の人なのである。
ふーん。 こういう時代が来たんだなあ。 
と思っているとやはり、この結果は後で物議をかもし出した。
次の日のニュースで、過去のミス・タンザニアが眉間にシワを寄せて今回の結果について熱く語っていた。
スワヒリ語がよくわからなかったが、どうやら彼女は今回の結果を「大問題」としているのは、わかった。
あとで会社のスタッフに聞いてみると、今回優勝した人は大会中ずっと英語でしゃべっていたらしい。
それに対してミス・タンザニアはタンザニア、すなわちスワヒリ文化を代表する人なのだから、スワヒリ語でしゃべるべきだ。 
そういう意味では他に彼女よりもっとふさわしい人がいたのに、なぜ彼女が優勝したのか。
と言っているらしい。
そうかと思えば、インド系だからといってミス・タンザニアにふさわしくないなんて、人種差別じゃないか、という意見も新聞で見た。

人種差別だろうか。
彼女はタンザニア人じゃない、と言えばこれは差別的発言だ。
何世代も前にタンザニアに移住し、生まれも育ちもタンザニア、スワヒリ語を話します、というインド系タンザニア人は、実際とっても多い。 
タンザニアの中で最も多いアジア系民族だろう。
このリッチャ・アディアさんも、たぶん国籍はタンザニアなのだろう。

だがしかしタンザニアにおけるインド系の人たちは、自分たちのルーツはインドにある、ということに誇りを持っている人が多い。 
女性はサリーを着るし、大人になったらインド人のボスのもとで雇われることはあっても、アフリカ系タンザニア人の下でインド人が働くことは、まずありえない(その逆はよくある)。
そして血筋にアフリカ系が入ってくるのを好まない。 
つまりインド系の人が黒いアフリカ人と結婚し混血の子供を生むのは、いるとしてもかなりマイナーなケースだろう。 

今回優勝したリッチャ・アディアさん、見た目だけなら知らない人はまずアフリカ出身だとはわからない。
その彼女がミス・コンテスト、つまり外見的要素も大きく問われる場にタンザニアを代表して出るのである。

わたしは、アフリカの黒人の持つ肉体的な美がとても好き。
ひとくちでタンザニア人といっても、チャガ系、パレ系、マサイ系、ソマリ系・・・etc.と部族によって、顔立ちにも個性があるが
ゆったりと胸をはった歩き方、黒い肌の美しさ、そういうのでもって世界大会にタンザニアをアピールして欲しかったなあ、というのが正直なところだなあ。



今回のミス・タンザニアの結果に、外国人の私ですら疑問をこんなに感じるのはなんでやろう?
そして、その後もこのことについてタンザニア人の友人と話したりして、結局わたしなりの結論はこうだ。
この国におけるインド系タンザニア人たちは、何年住もうと国籍がタンザニアだろうと、彼らはインド人なのである。
"ミス・インド系タンザニア"にはなれても、"ミス・タンザニア"はふさわしくないのだ。

後日このトピックをめぐってTVのある討論番組に、リッチャ・アディア本人、今回の大会責任者が出ていた。
リッチャさんは、ダルエス生まれでその後もタンザニアで育ち、スワヒリ語を流暢にしゃべった。
自ら「私はタンザニア人です」と言っていた。

大会責任者はどの質問にも終始、自分を保身するようなコメントばかりだったらしい。

そして最後に司会者が言った言葉。
「もしどなたかが私のスポンサーになってくれるなら、私が"ミス・バントゥー・コンテスト"を開催しますよ。」
ジョークか本気かわからない感じだったが、これである。
ここに全ての答えがあると思う。
そう。 タンザニアは黒い肌、つまりバントゥー系民族の国なのだ。
だからミス・タンザニアはバントゥー系、あるいは少しでもその血をひいていなければならないのだ、と。
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by KilimanjaroID | 2007-09-11 23:05 | Africa-Arusha


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