『アフリカのへそ』

foyeni.exblog.jp
ブログトップ
2009年 04月 26日

夫の怒り

わかってはいたけれど、やはりタンザニアから一歩も出たことがない夫を、
日本で仕事をし、生活に慣れさせていくのは、並大抵ではない。
私が心配しすぎするのが、いけないんだろうとはわかっているが、
今の仕事は続けられたら、ほんとうに安定した仕事になるから
必要な努力は惜しまないで、なんとか仕事を続けて欲しい。

そう思っていろいろ言うのだが、
外国人の妻にいろいろ言われるのが、
自分が男として扱われていないように思えてきて、気に入らないみたいだ。

そもそも考えるペース、違う現実を目の当たりにして、それを飲み込み、受け入れ、
実践に移すまでのスピードがちがいすぎる。

3年前タンザニアのアルーシャで生活を始めたころの私は、
就労ビザの取得が難航し、
ワイロばっかり要求して、まったく仕事の進まない各役所にイライラさせられ、
家が決まったら決まったで、同居人に頭を悩まし・・・

思えば本当に大変だったけど、良いこともたくさんあった。

あのころの私と今の夫。
何が違うだろう?

最近の夫を見ていると、仕事は気に入っているみたいだけど、
日本語の習得には相変わらず消極的。
いまの仕事を続けるには、日本語のコミュニケーションが必須なのに
むしろ意固地になって、「日本語なんてやるもんか」という空気さえ感じる。

夫は猛烈に怒っているのだ。 
このあまりにも閉鎖的な日本に。 日本人社会に。

タンザニアの言葉はスワヒリ語だけど、英語もかなり通じる(いちおう公用語だし)。
とくにアルーシャなんて、小さい町だがサファリ目当ての観光客が1年中おとずれ、
ルワンダ大虐殺の国際法廷のための国連スタッフがたくさん常駐し、
かなりインターナショナライズされた町だ。

病院、銀行、ポリス、イミグレーション、インターネットカフェ...etc
外国人が生活に必要とする場所で、ほとんど英語が通じる。
大学教育を受けた人なら、まず英語を話せる。
高卒でもForm6まで出た人なら、やはり英語は大丈夫。

夫はForm4、日本でいう高校1年までしか学校に行っていない。
タンザニアではこのレベルだと、英語を話せるかどうかは、本人の努力次第ってところ。

夫はワンランク上の仕事をするには英語は必須だと考え、
自分でがんばってマスターしたようだ。

そして流れ込む多くの外国企業。
インド人や中国人や日本人やヨーロッパ人、オーストラリア人・・・。
そこで働いてるローカルのタンザニア人たちが、ボスである外国人たちの
やり方に合わせていく。

私も現地でタンザニアの飯を食え、なにがなんでもスワヒリ語をしゃべれ、とか
押し付けられた記憶はあまりない。
必要に応じてスワヒリ語は覚えていったが、
夫の実家に行けば、サテライトがあるのでいつも日本のNHKを見せてくれたり、
夫の妹が日本食レストランに行ったときは、私へのお土産に巻き寿司を
テイクアウトしてきてれたこともあった。

なんというか、少なくとも私と関わった人たちは
日本人である私をあるがままに受け入れてくれたように思う。

ところが日本というのは、全く逆。
外国人そのまんま、のアナタではダメなのだ。
アナタは日本人になろうとしなければならないのだ。
そういう外国人だけが、日本社会にwelcomeされる。

銀行、病院、交番、郵便局、駅のスタッフ、入国管理局までも英語が通じないのが日本。
中学、高校、大学受験で必死こいて英語を猛勉強するのは、いったい何のため?

先日、夫の銀行口座を開設するのに1日で4件もの銀行を回った。
在留期間が6ヶ月に満たないからダメ、申込書は日本で書かなくてはいけないのに
代筆は認めない、国際送金の手続きがややこしすぎる、等々の理由で
けっきょく夫が口座を開設できる銀行にたどり着くまでに、4件まわらなければならなかった。
どの銀行にも、英語のパンフレットや英語の申込書はなかった。

アルーシャにいた頃は、外国人のお客さんのために英語をしゃべり、彼らが望むサービスを
提供し、気持ちよく外国人をwelcomeしてきた夫。
いざ自分が日本で外国人になってみて、自分ひとりでは何もできない現実をつきつけられ、
ふたことめには"日本語しゃべれ"。

彼の怒りの氷が溶けるのには、まだまだ時間がかかりそうです。


人気ブログランキングへ
[PR]

by KilimanjaroID | 2009-04-26 03:11 | にっぽん


<< タンザニア料理をつくる~デング...      4月はBahatiがたくさん! >>